なぜ？南千住の一角に放置されている「夕やけだんだん」の碑の謎を追ってみた

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ある日、読者の方から一通のメールが届きました。荒川区南千住になぜか「夕やけだんだん」と書かれた碑のようなものがあると。

夕やけだんだんは荒川区西日暮里にあり、谷中銀座商店街の入口となっている階段です。谷中、根津、千駄木のいわゆる谷根千エリアを散策する際には必ずと言ってもいいほど立ち寄る場所だと思います。荒川区内でも屈指の観光地ですよね。
→谷中、根津、千駄木の谷根千エリア散策の入り口にある夕やけだんだんは荒川区にある！ということをこっそりと主張してみたい | 荒川区のはなし

そんな夕やけだんだんの案内が南千住にあるのは謎です。というわけで、さっそく現地に確認に行ってきました。すると、確かにその石碑のようなものがあったのです！

謎の碑がある場所

まずは場所の確認をしてみましょう。

LaLaテラス南千住の裏手で、東京メトロ日比谷線の車庫のすぐ横です。南千住駅からだと徒歩で7分くらいでしょうかね。

この場所は一体何？

最初は車庫のすぐ横にあるので東京メトロの敷地かと思いました。

しかし、中にあるものをよく見てみると、「荒川区」の表記があるのです。例えばこのネコ。

工事用の手押し車です。全てに「荒川区」とあります。

さらに、このショベルカー。

「荒川区土木管理課」とあります。

金網のところには「荒川区道路公園課」によるお願いも掲示されています。

2010年1月のグーグル・ストリートビューを確認すると、ここは自転車置き場（放置自転車の回収場所？）のようでした。2014年5月のグーグル・ストリートビューを見てみると、現在と同じ資材置き場になっています。

謎の「夕やけだんだん」

そんな資材置き場のような場所の一角に問題となっている謎の「夕やけだんだん」があるのです。

土台が石で、「夕やけだんだん」と彫られている部分は木ですね。かなり巨大で重たそうです。それが横倒しの状態で放置されています。この場所は荒川区南千住であって、夕やけだんだんがある荒川区西日暮里ではありません。

よく見てみると、木の部分が地面に接しないように枕のようなものがあるのが面白いです。

この周囲にはこの「夕やけだんだん」についての説明書きは全くありませんでした。その謎を確認すべく向かったのは荒川区役所です。金網の部分に道路公園課の掲示があったので北庁舎に行き、職員の方にこの謎について質問してみました。

実際に夕やけだんだんの上にあった愛称名碑

するとその謎はすぐに判明しました。この碑は実際に夕やけだんだんの階段上に設置されていたものなのだそうです。「愛称名碑」と呼ばれるものです。設置されていた当時の様子がグーグル・ストリートビューに記録されていました。

木の下に碑があるのがわかるかと思います。この木は桜で、「だんだん桜」と呼ばれていたそうです。老朽化によって倒木などの危険もあるので、荒川区がここに愛称名碑を設置して木の保護をするようにしたとのことです。夕やけだんだんの階段と桜の木はちょっと距離がありますが、ここに愛称名碑が設置されたのは場所の明示というよりも保護の目的の意味合いが強そうです。

しかし、2011年5月に桜の木は伐採され、愛称名碑も撤去となりました。その後、南千住の現在の場所に保管されるようになったそうです。

YouTubeに2011年4月に撮影された動画があったので、こちらも御覧ください。

こんな立派な桜の木だったのですね。筆者はこの桜の木の存在をすっかり忘れていました。愛称名碑があったことすら覚えていませんでした。

愛称名碑の今後

この愛称名碑が撤去されてから約12年が経過しています。その間ずっと雨ざらしの状態で放置されているのでしょう。

今後はブルーシートをかけるなどして保護するか、もしくは適切な場所での管理を行う予定だそうです。屋根がある倉庫のような場所に移動するということでしょうかね。しかし、巨大なものですからね。なかなかいい場所を確保するのは難しいのかもしれません。

現在の夕やけだんだんの愛称名碑はこちらです。

階段下に木製のものが設置されています。これは木製ですので腐ってしまうこともあるでしょう。その場合には南千住にあるものと交換するという再利用もあるかもしれないとのことです。

まとめ

今回の調査で夕やけだんだん上にあった桜の木について振り返ってみることもできました。放置されていた謎の碑から荒川区についてさらに深く知ることもできました。資材置き場に何気なく転がっていた碑から様々な気づきがあるものですね。

皆さんも区内で気になるものがあったらぜひお知らせください。荒川区のはなしが調査いたします。

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